使ってみたい英語表現 第10集

私は、この数年、北本市の国際化を進めたいと考えて、手始めに、親日国として有名なマレーシアへの訪問を繰り返している。
マレーシアを含むASEAN諸国は、国際語としての英語教育に、日本以上に力を入れている。シンガポールが突出しているが、マレーシアも水準が高い。
そこで、私としても、自分の英語力に磨きをかけるべきだと考え、勉強を続けている。
この間の教材として、NHKの英語教育プログラムを活用している。
そうした勉強の中で、実際に使えれば「カッコいい」と思える英語表現をピックアップすることにした。
若い方々に参考にしていただければ幸いである。
なお、私が勉強に活用し、ここに引用した英語表現は以下のNHK教材である。
*おとなの基礎英語・おもてなしの基礎英語・入門ビジネス英語・実践ビジネス英語・しごとの基礎英語

■10-1■

Being rejected can be
a blessing in disguise.


日本語訳:
拒否されたことは
変装した祝福かも知れない。

この文の状況は、例えば、話し相手がオファーを断られた時に、「断られたことは、本当は運がよかったかも」と慰めている場合である。
文化的な背景が違うため、「bless」という言葉は使いにくい言葉である。
また、「disguise」も使うチャンスの少ない言葉である。元々は「guise」が「外観・服装」という意味であり、否定の「dis」が付いて、「変装」といy意味になったようである。
この際、「a blessing in disguise」とセットにして使ってみたい表現である。


■10-2■

Can we achieve
cost reductions
on anything here?

日本語訳:
ここのどれでもいいので、
コスト削減を
私たちは達成できるでしょうか?

この文の状況は、例えば、見積書の内訳を前にして、相手と商談している場合である。
言うまでもなく、この文には特に難易度の高い言葉は使われていないが、「negotiation technique」の極みが「Can we achieve」の部分である。
一方的に、「Could you give us any discount?」と依頼しているのではなく、両者の知恵と話し合いで、コスト削減ができないかというアプローチをしている。
Can we achieve ~」、使ってみたい表現である。


■10-3■

Is there any way
you can fit this
into your schedule?

日本語訳:
あなたのスケジュールに
組み入れることができる
方法がありますか?

fit」という言葉は、極めて日常的に使われる言葉である。一番身近なものは、「fitting room」、つまり「試着室」という使い方であろう。
抽象的な概念として考えてみると、二つの物体間の包含関係において、包含される側を主体として、良い関係であることを意味している。
ここで注目したい点は、「fit」とセットで使われる前置詞は「in」であるが、「your schedule」の前では、この文のように「into」の方がfitしていると思う。


■10-4■

I hate to rush you,
but we must receive the invoice
by tomorrow.

日本語訳:
私はあなたを急かせたくないのですが、
明日までに
私たちは請求書を受領しなければなりません。

交渉術において、相手の感情にも配慮した表現が求められる。
前段の「I hate to rush you,」があることにより、「must」を使ったかなり強い後段の要求が和らげられている。
実は、最近では「hate speech」として使われているように、前段の「hate」は「don’t like」や「dislike」よりも強い表現であるが、「to rush you」と続いていることによって、「あなたに大変申し訳なく思っている」というニュアンスになっている。


■10-5■

I would really like to 
be a part of
the project team.

日本語訳:
プロジェクトチームの一員に
私は本当になりたいと思います。

この文の「be a part of」という表現が、何か不思議な感じがする。
普通に考えれば、「be a member of」でいいと思うが、この表現によって、違うニュアンスがでてくる。
プロジェクトに対する「respect」と、自分に対する謙虚さが感じられる。
兎角、英語圏の文化は、自己主張が強く、日本語のような謙遜の表現がないとされているが、冒頭の「would really like to」と「be a part of」の相乗効果で、極めて控えめな表現になっていると思う。


■10-6■

I couldn’t read your email,
because the text was garbled.

日本語訳:
テキストが文字化けしていたので
私はあなたの電子メールが読めませんでした。

改めて考えてみると、「文字化け」という言葉は、少なくとも20世紀の前半には知られていなかった言葉である。
garble」という言葉も、元々は「取り違える・改ざんする」という意味であり、電子メールが登場する前からの言葉である。(、恥ずかしながら知らない言葉であった。)
ここで「text」についても考えてみると、教科書や教材を意味することもあるが、コンピュータ関係で使われる場合は、文書=documentの中の写真やイラストなどを除いた文字部分を意味している。


■10-7■

What would be
the earliest delivery date possible?

日本語訳:
可能な最も早い納品日は
いつになりそうですか?

商談において、取引価格と同様に重要なポイントは納期である。納期は短いに越したことはないので、この文のような「the earliest delivery date」という問いは無限に繰り返されてきたに違いない。
文末の「possible」は、「最大限の努力をしたとして」というニュアンスが付け加えている。冒頭の「What would be」という婉曲的で遠慮がちな表現とのコントラストが面白い。
使ってみたい実践的な表現である。


■10-8■

We need the estimate
that clearly shows
the cost breakdown.

日本語訳:
コスト内訳を
明確に示す見積もりが
綿たちは必要です。

元々、「breakdown」は、「故障・破損」という意味であるが、ビジネスの分野では、「内訳」という意味で使われることが多い。
あるいは、私が知らないだけで、工場や鉱山などでは、「故障・破損」という意味で頻繁に使われているのかも知れない。
この文の状況は、総額だけが明記された見積書を提出した相手に対して、より詳しいものの提示要望したような場合である。
私が使ってみたい表現は「clearly shows」の部分である。


■10-9■

This type of use
far exceeds
product capacity.

日本語訳:
このようなタイプの使い方は
商品の能力を
はるかに超えています。

この文のポイントは「exceeds」である。勿論、言葉の意味は知っていたが、これだけの内容を端的に表すことができるとは知らなかった。
具体的に言えば、「はるかに」を意味する「far」を前に置き、前置詞もなしに「product capacity」を目的語としてしまっている。
因みに、「ceed」の部分はラテン語由来の「行く」という意味であり、「ex」は同じく「外へ」の意味である。
この「ceed」を同じ語幹としている言葉には。「proceed」や「succeed」などがある。


■10-10■

If you are open to
additional cost,
we can make the change.

日本語訳:
追加コストを
あなたが受け入れる用意があるならば、
私たちは変更することができます。

open」という言葉は、高い頻度で使われる言葉であり、意味も多岐に亘たる。
この文のように「open to」となると、「提案や要望などを受け入れる用意がある」という意味にもなる。
この「open to」という表現の素晴らしさは、「受け入れる」と言い切ったいるのであはなく、あくまでも「受け入れる可能性がある」という意味であることにある。
頻繁に使ってみたい表現である。