使ってみたい英語表現 第2集

私は、この数年、北本市の国際化を進めたいと考えて、手始めに、親日国として有名なマレーシアへの訪問を繰り返している。
マレーシアを含むASEAN諸国は、国際語としての英語教育に、日本以上に力を入れている。シンガポールが突出しているが、マレーシアも水準が高い。
そこで、私としても、自分の英語力に磨きをかけるべきだと考え、勉強を続けている。
この間の教材として、NHKの英語教育プログラムを活用している。
そうした勉強の中で、実際に使えれば「カッコいい」と思える英語表現をピックアップすることにした。
若い方々に参考にしていただければ幸いである。
なお、私が勉強に活用し、ここに引用した英語表現は以下のNHK教材である。
*おとなの基礎英語・おもてなしの基礎英語・入門ビジネス英語・実践ビジネス英語・しごとの基礎英語

■2-1■

The digital revolution has made
lots of jobs
as obsolete as
buggy-whip makers.

日本語訳:
デジタル革命は
多くの職業を
馬車用鞭の製造者のように
時代遅れにしました。

200年以上前から数十年に亘った産業革命は、社会・経済・生活を革命的に変化させた。
上記の主語になっている「digital revolution」は、20世紀後半から始まり、産業革命以上のインパクトを社会に与え続けている。
ここで言及されている「buggy-whip」は、産業革命以前の乗り物である馬車の御者が使用していた物である。私としては、馬車製造者ではなく、「鞭」の製造者としているところが洒落ていると思う。

■2-2■

The electronic payment systems
have made
toll collectors
go the way of the dodo.

日本語訳:
電子支払いシステムは
(有料道路の)料金収集者を
ドードーの道へ行かせた。

この文は、冒頭の文と同様に「digital revolution」のインパクトについて語っている。
dodo」は、かつてアフリカのマダガスカルに生息して絶滅した鳥類であり、絶滅種の代表として言及される。
因みに、絶滅種は「extinct species」、絶滅危惧種は「endangered species」である。

■2-3■

I think
we rely too heavily
on a handful of
large clients.

日本語訳:
私は
私たちは、一握りの大きな得意先に
あまりに重く頼りすぎていると
思います。

企業経営の原則として、受注先や販売先に関して少数に依存し過ぎてはいけないと言われる。 具体的に、1社に25%以上依存すると、レッドゾーンに入るとも言われる。 この原則は、常識化しているのであるが、実際には上記の文の状況にあることも少なくない。 おそらく、使う可能性の高い表現だと思う。

■2-4■

We need to do
extensive research
before we start this business.

日本語訳:
私たちは
この事業を始める前に
広範囲な調査をする
必要があります。

この文の「extensive research」が使ってみたい英語表現のポイントと言える。 やはり、ビジネスの分野では調査し、分析をして意思決定をしなければならないのは当然であり、上記の表現は適切なタイミングで使ってみたい表現である。 この形容詞「extensive」は、動詞の「extend」からの派生語であり、名詞「extension」は、代表電話番号のある団体や組織では「内線」という意味で使われる。 また、カタカナ英語「エクステ」は、付け髪のこと意味で使われている。

■2-5■

It is essential
for the government
to be transparent.

日本語訳:
政府にとって
透明性は
必須のことです。

この文の「transparent」や名詞形の「transparency」は、時代のキーワードになっている。ちょっとした議論や四方山話でも、この表現を使う状況があるかも知れない。 そう言えば、40年ほど前には、OHPの透明フィルムのことを「トランスペアレント」と呼んでいたことを思い出した。

■2-6■

Consumer needs
have diversified
over the last decade.

日本語訳:
消費者のニーズは
最近の10年間で
多様化しました。

この文のキーワードは、「diversified」、原形の動詞は「diversify」。名詞形は「diversification」である。 この「diversification」も、時代のキーワードと言える。近年の社会は、民族・文化・宗教に加えて、LGBTQなど、多様な価値観を持つ人々が共存していかなければならない。 上記の文は、そっくり、使ってみたい表現である。

■2-7■

The plan wasn’t approved.
We need to design
a new one
from scratch.

日本語訳:
その計画は承認されませんでした。
私たちは
ゼロから(最初から)
新しいものを設計する
必要があります。

この文のポイントは、文末の「from scratch」である。
兎角、難しく考えてしまうが、こんな簡単案表現でいいとは驚きである。使ってみたいどころか、かなりの頻度で使うことになる表現である。
scratch」がスタートラインを意味するようになったのは、競走する際に、地面を引っ掻いてスタート位置を決めたことに由来するのではないかと思う。


■2-8■

I check my emails
regularly
while I’m away on business.

日本語訳:
出張中は
私は
定期的に
電子メールを確認します。

後半の部分で、「出張中」を意味する訳だが、「while I’m away on business」を分解すると、「私が(ここに)いない時」+「仕事で」という構造になっていて、英語的発想の一つと言える。 因みに、「仕事で」が「on business」であり、「休暇で」は「on vacation」であり、前置詞は両者とも「on」であることは興味深い。

■2-9■

The results
are due to be released
on Friday.

日本語訳:
結果は
金曜日に
発表されることになっています。

「予定である」と日本語で表現すると、かなり正式なことのように感じるが、「are due to」とすると、よりソフトになる。
また、英語的な表現として、「release」という言葉のニュアンスを理解することが重要である。
主に淡水魚を釣り上げて、食べたりせずにその場で逃がすことを「catch and release」というが、この表現に感じが出ている。


■2-10■

A penny for
your thoughts.

日本語訳:
あなたの考えは
価値が低い。

この文は、文脈によって、様々なニュアンスになる。「penny」は、イギリスの通貨の最小単位であり、「a penny」は価値が低いことの象徴である。
相手の考えを却下すことになるが、くよくよ悩んでいる人を慰める場合にも使える。
因みにアメリカのカントリーソングに、「Not a penny to my name.」という一節があるが、この場合は、「一文無し」という意味になる。
使ってみたいというよりも、使えればカッコいい表現であるが、かなり達人にならないと上手く使えないと思う。
蛇足であるが、この表現こそ「ア ペニー」ではなく、「エイ ペニー」と発音すべき表現ではないだろうか。