私は、この数年、北本市の国際化を進めたいと考えて、手始めに、親日国として有名なマレーシアへの訪問を繰り返している。
マレーシアを含むASEAN諸国は、国際語としての英語教育に、日本以上に力を入れている。シンガポールが突出しているが、マレーシアも水準が高い。
そこで、私としても、自分の英語力に磨きをかけるべきだと考え、勉強を続けている。
この間の教材として、NHKの英語教育プログラムを活用している。
そうした勉強の中で、実際に使えれば「カッコいい」と思える英語表現をピックアップすることにした。
若い方々に参考にしていただければ幸いである。
なお、私が勉強に活用し、ここに引用した英語表現は以下のNHK教材である。
*おとなの基礎英語・おもてなしの基礎英語・入門ビジネス英語・実践ビジネス英語・しごとの基礎英語
■5-1■
Do you think
the seller has still room
to go lower?
日本語訳:
売り手にはまだ値下げする
余地があると
あなたは思いますか?
ビジネスにおいては、価格交渉が極めて重要である。「値下げの余地があるか」という問いかけは、頻繁に使われる表現であろう。
この文の状況は、同じ企業内で交わされる、言わば、社内会議での発言と思われる。
そもそも、「room」が「部屋」以外にも「余地」という意味があることは知ってはいたが、この文のように「has still room」と使えることは知らなかった。
また、「to go lower」は「room」を修飾しているわけであるが、いかにもこなれていて、使ってみたい表現である。
■5-2■
This email newsletter
helps you track
the latest consumer tastes.
日本語訳:
このeメールニューズレターは
あなたが、最新の消費者の動向を
追う助けとなります。
日本語訳の「eメールニューズレター」は、ややもすると「メルマガ」と訳されるが、これは和製英語のカタカナ英語であり、「email newsletter」が使えるようにしたい。
この文の背骨は「helps you track」であり、使役動詞の「help」の使い方と、ビジネスにおいては、使ってみたい「track」という動詞で構成されている。
また、「consumer tastes」は、「consumer needs」や「consumer trends」と同様にビジネスの分野では、日常茶飯事のように出現する、使えるようにしておきたい表現である。
さらに、「the latest」も、使えるようにしておきたい表現である。
■5-3■
First impressions
really count
at a job interview.
日本語訳:
第一印象は
就職面接において
本当に効きます。
「count」の元々の意味は「数える」であるが、この文のように、「効果がある」、「当てになる」という意味で使われ、短く言い切るには、これほど便利な表現はない。
因みに、「あなたを当てにしている」は、前置詞の「on」を加えて、「I count on you.」という端的な表現として使える。
また、この文の最後をみると、「a job interview」の前には「at」という前置詞が使われることがわかる。
■5-4■
I’m afraid
I have a previous engagement
on that day.
日本語訳:
その日には
先約が入っていると
私は思います。
「思う」、「考える」という意味の表現はいくつも存在する。「I think」が最も一般的であるが、この文の「I’m afraid」のように、「残念ながら」や「あいにく」というニュアンスを加えた表現もあり、発想的に使いにくい表現である。
また、ここでは「previous engagement」を「先約」と訳しているが、より多く使われる「previous appointment」とのニュアンスの違いがある。
後者は、「誰かと会う」という意味に限定されるが、前者は「拘束されている」という意味であり、必ずしも「誰かと会う」とは限らない。
■5-5■
I’m tempted
to buy
this beautiful kimono.
日本語訳:
この美しい着物を
買いたいという
衝動に私はかられます。
単純に「買いたい」であれば、「I want to buy」や「I would like to buy」という表現で十分である。しかし、この文では、より強い欲望を表す「tempt」が受動態で使われている。
ビジネスの分野では、基本的には、あまりに情緒的な表現が使われることはないが、それ故に、時として印象に残り効果的である。
いつかは、どこかで使ってみたい表現である。
■5-6■
The successful branding
of the new product
has pushed up sales
by 20 percent.
日本語訳:
その新しい製品の
ブランドづくりの成功は
売り上げを20%
上昇させた。
「brand」の元々の意味は、牛や馬などへの烙印である。所有者を明確にするためのものであった。
現在のビジネスの世界では、ロゴマークばかりでなく、広告や販売戦力なども含む、商品の総合的なイメージがブランドの本質である。
この文にあるように、「successful branding」という表現を使えれば、できるビジネスパーソンと思われることは間違いがない。
また、文末の「by 20 percent」は、頻繁に使われる表現であり、具体的に数値を表すことで、説得力が生まれる。使ってみたい表現である。
■5-7■
What has been
the biggest challenge
in your carrier?
日本語訳:
あなたのキャリアの中で
最大の挑戦は
何でしたか?
この文を構成しているそれぞれの単語は、すべて難易度が低いものである。しかし、組み合わせられて、かなり高度な表現になっている。
まずは、現在完了形になっている点が注目に値する。ある程度のキャリアの長さと、「challenge」を繰り返してきたことを前提とした質問であることがわかる。
なお、「challenge」には、単なる「挑戦」という意味を超えて、「挑戦に値する難しいこと」という意味で使われることがある。つまり、簡単に達成できることは、「challenge」ではないということである。
■5-8■
I like
the menu variety
in our staff canteen.
日本語訳:
私たちの社員食堂の
メニューの豊富さが
私は好きです。
「menu variety」が「メニューが豊富であること」という意味になり、端的な表現になっている。回りくどく言えば、[I like」以下は「that there are various menu」という文にしなければならないが、省力化されてリズムがいい。
また、社員食堂が「staff canteen」であることは、意外に知られていないようだ。これ以外にも、「受付」が「reception」、「給湯室」が「pantry」など、時として話題になるかも知れないので覚えておくべきであろう。
■5-9■
It’s encouraging that
the project is back
on track.
日本語訳:
そのプロジェクトが
元の軌道に戻ったことは
励みになります。
ビジネスにおいては、経済環境などにより、事業の進捗が計画から遅れることが少なくない。
有効なてこ入れ策を講じたり、外部環境の改善により、計画軌道に戻れば一安心である。
この文の「is back on track」は、まさに「元の軌道に戻る」という表現である。
冒頭の「encouraging」は、文法的に言えば現在分詞が形容詞的に使われているケースであり、個人としても、組織としても、「ポジティブな気持ちになれる」という意味になる。
■5-10■
The country has made
steady progress
on its legal framework.
日本語訳:
その法制度において
着実な進歩を
その国は遂げていた。
国際ビジネスの分野では、各国の法律制度を把握しておくことが重要である。最近では、SDGsに準じた法律の改正も増えているので、将来の方向性についてもみておかなければならない。
そのため、ビジネス交渉においては、この「legal framework」に言及することは少なくないだろう。
また、「steady progress」も応用の効く表現である。さらに、「progress」に続く前置詞が「on」であることも覚えておきたいポイントである。